スタッフの成長を加速させる!成功体験と失敗体験の活かし方

育成と指導

「成功だけ積ませればいいのか? 失敗も必要なのか?」

スタッフの育成に悩む介護リーダーが一度は直面する問いです。

私自身、さまざまな現場で人を育ててきた中で、たどり着いた答えがあります。

それは──

成功体験は積ませるべき
小さな失敗も必要
ただし、大きな失敗は避ける

今回はその理由と、実践のコツをお伝えします。


育成が上手くいかない原因は“複雑さ”と“忙しさ”

現場では、育成理論や研修方法がたくさんありますが、 実際に取り組もうとすると難しく感じることも多いはず。

その背景には:

  • 現場業務と並行しながら育成を行う負担の大きさ
  • 指導者側が十分な技術を持っていない場合がある
  • 育成の時間と余裕が確保できない現実

そのため、「見て覚えて」「とりあえずやってみて」という場面も多く、 体系的な育成が難しい状況にあります。


成功体験は“スタッフ自身のもの”であることが大切

リーダーの成功を真似させるだけでは意味がありません。

なぜなら、リーダーの成功は:

  • その人の価値観
  • その人の技術や経験
  • 特定の場面の判断

これらが複雑に絡み合った結果だからです。

つまり、新人が表面的に真似をしてもうまくいかないことが多いのです。

スタッフが本当に成長するためには、 リーダーと一緒に考え、実践し、自分の力で成功体験を積むことが必要です。


成功体験は「積み重ね」で判断力になる

1回の成功では意味がありません。

成功を何度も積み重ねることで、 「この場面ではこう判断しよう」という経験知に変わります。

判断力が育つと、スタッフは現場で“自分の頭で考えて動く”ようになります。

そのためには:

  • 考える機会をつくる
  • 行動してもらう
  • 振り返りをさせる

この繰り返しが成長の土台となります。


小さな失敗は“最高の学び”になる

失敗は誰しも避けたいものですが、 実は“自分でリカバリーできる失敗”は、最高の学びになります。

  • どこで判断を誤ったか?
  • 次はどうすればいいか?

こうした問いが、スタッフの“考える力”を引き出します。

ただし、リーダーが見守り、必要に応じて支援できる範囲で。

この「安全な失敗空間」をつくることがリーダーの役割です。


経験しなくていい“大きな失敗”は避ける

  • 利用者や職員に大きな影響を与える
  • スタッフ自身が立ち直れなくなる
  • 最悪の場合、退職を選んでしまう

こうした“大きすぎる失敗”は、リーダーの経験談で“疑似体験”として伝えることができます。

  • 実際の失敗をシェアする
  • 「その時、自分はどうしたか?」を話す
  • 「どうすれば防げたか?」を一緒に考える

失敗から学ぶことは多い。
でも、潰れるほどの失敗は避けさせるのがリーダーの責任です。


まとめ:成功と失敗は“育成の両輪”

人は成功だけでは育ちません。 失敗だけでも立ち上がれません。

スタッフの成長には:

  • 小さな成功の積み重ね
  • 小さな失敗のリカバリー
  • 大きな失敗の疑似体験

この3つのバランスが不可欠です。

そしてリーダーは、それを“安全に・段階的に”経験させる仕組みをつくることが求められます。

あなたの1つの問いかけ、1つの経験談が、 スタッフの大きな成長のきっかけになります。

明日も、育成という冒険に、一歩踏み出しましょう。

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