「また同じ指示…いつまで続くんだろう」
指示待ちのスタッフが増えれば、リーダーの負担はどんどん増えていきます。 「自分で考えて動いてほしい」と思っていても、育成の仕組みがなければ変化は起きません。
そんなとき、力を発揮するのが“振り返り”の仕組みです。
私の現場でもこの取り組みをきっかけに、理念が浸透し、 主体的に動けるスタッフが育ち、チームが自走し始めました。 今回はその具体的なステップをお伝えします。
「振り返り」ってなに?
ただの感想ではなく、**理念や目標を軸にした「学びの内省」**です。
業務の流れを止めず、日々の仕事の中に「考える習慣」を組み込むことで、 スタッフ自身が“自分で目標を持ち、行動を振り返る”力を育てます。
ステップ①:目標設定をする
勤務開始前に「今日の目標」をひとつ決めます。
例:
- 苦手な利用者に笑顔で声かけする
- ケアプランに沿った記録を書く
ポイントは、
- 実践可能な具体性のある目標
- “今はまだ自然にできないこと”をあえて意識する
ステップ②:実践する
その日の業務中に、目標を意識して行動します。
実践のタイミングは自由。 チャンスがあれば複数回挑戦しても構いません。
ステップ③:振り返る
勤務終了10分前などに、自分の実践を振り返ります。
記入内容:
- どう実践したか
- 利用者や周囲の反応
- 自分が得た気づきや結果
余裕があれば「なぜそうなったのか?」まで掘り下げて書けるとベストです。
ステップ④:コメントをもらう
ここからがリーダーや管理者の出番です。
✔️ 批判ではなく、視点の提示・助言・問いかけをすることがポイント。 ✔️ 上手くいかなかったときも、「次につながるヒント」を添える。
このやりとりが、信頼関係と人材育成の土台になります。
ステップ⑤:次の目標を決める
もらったコメントをもとに、次回の目標を再設定します。
こうして、日々の業務の中で自然とPDCAサイクルが回り出します。
振り返りの副産物と継続のコツ
- スタッフの価値観・介護観が見えてくる
- 人事評価にも使える「成長の記録」になる
- 成長の実感がモチベーションに変わる
最初はリーダーの負担が増えるように感じますが、 続けるほどに「勝手に動けるスタッフ」が増え、結果的にチームが楽になります。
まとめ:振り返りは“自走するチーム”への一歩
考える習慣が身につけば、スタッフは“気づき→行動→改善”を繰り返すようになります。
理念や目標が根づくことで、リーダーが言わなくても、 スタッフ自身が“なぜこのケアをするのか”を理解し、実践していきます。
まずは半年。試しに取り組んでみてください。 チームの空気が変わりはじめるはずです。
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