1. はじめに
気づく力は、ただの観察眼ではありません。
チームの未来を見通し、支えるための“リーダーの土台”です。
介護の現場では、「気づける人」が自然とリーダー役を担っていくことが多いものです。
でも、本当のリーダーシップとは、気づいた後にどう動くか、どう伝えるか、どう育てるかにかかっています。
今回は、気づき力をリーダーとしての実践にどう活かすかを掘り下げていきましょう。
2. 背景にある気持ち
「チームの誰かが疲れてる気がする」
「最近、雰囲気がちょっと重い…」
そんな“違和感”を、リーダーは人一倍察知しています。
けれど、「忙しいから」「私がなんとかすれば…」と、我慢や自己犠牲で乗り越えようとしてしまう。
結果、気づける人ほど、気疲れしやすくなるジレンマに陥ってしまうこともあります。
3. 気づき力を“リーダーシップ”に変えるには?
① 気づきを“独り占め”しない
- 気づく
- 推測する
- 検証する
- 共有する
この流れをチームで回せるようにすることが大切です。
例:Aさんの遅刻が増えた → 何か家庭の事情? → 声かけで親の介護が発覚 → カバー体制を再構築
個人の気づきを、チームの知恵へと変えていく視点が、リーダーには必要です。
② “気づかせる”リーダーになる
リーダーの仕事は、すべてに気づいて指摘することではありません。
「あれ、なんか気にならない?」
「最近の○○さん、どう見える?」
こんなふうに問いかけ、メンバー自身の気づきを引き出す関わり方こそ、
“気づかせるリーダー”の真骨頂です。
③ “気づいても動かない”という選択肢
すべてに即反応しなくていい。
「今は動かず、見守る」「もう少し様子を見る」という判断も、立派な対応です。
動くタイミングを見計らう冷静さもまた、リーダーの資質です。
4. 視点を変えると見えてくること
気づき力は、ただの便利なスキルではありません。
それは、**場を整え、人をつなぐ“センス”**です。
- ミスやトラブルの兆しにいち早く気づく
- スタッフのモチベーションを察する
- 現場の空気感を言葉にする
これらは、マニュアルでは学べない“リーダーの感性”そのもの。
それは「ニュータイプ」的な第六感ではなく、
**経験と信頼をベースにした、“場と人をつなぐ力”**なのです。
最後に
察する力を、動かす力へ。
「気づける人」こそ、自分の感覚を信じて、
言葉にして、チームと分かち合ってください。
あなたのその一歩が、
チームの安心をつくり、未来の介護現場を支えていきます。
次に動くのは、あなたです。
🔙 前回のお話
📘 第4話
👉『気づきすぎて疲れた人へ〜感受性とセルフケア〜』
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