1. はじめに
「気づきの力」って、生まれつきの才能だと思っていませんか?
実はそれ、**育てられる“感覚”**なんです。
新人のうちは、まだ経験も知識も少なくて当然。
でも、「なんとなく違和感がある」「ちょっと気になる」——
その感覚こそが、**気づきの“芽”**なんです。
今回は、その芽をどう育て、現場の新人教育にどう活かしていくかを、
ケア壱と一緒にじっくり掘り下げていきましょう。
2. 「気づき」は感覚+解釈のセット
「気づき」は、次の2つが組み合わさって生まれます。
要素 | 説明 |
---|---|
感知 | 表情・動作・声・音など、五感や直感で変化を捉える力 |
解釈 | 「それって何を意味する?」と考える力(経験・知識・想像力による) |
例:
「あれ?今日の○○さん、ちょっと目が泳いでるな」→(感知)
「もしかして、体調不良や不安があるのかも…」→(解釈)
この2つがセットになって、初めて“本当の気づき”になります。
3. 実は、新人も「感知」はできていることが多い
新人さんは経験が浅いため、解釈や言語化が苦手なだけで、
実は“気づきの素材”はしっかりキャッチしていることがあります。
「なんとなく違和感がある」
「ちょっと様子が違う気がする」
「目を合わせてくれないのが気になった」
こうした小さな“違和感”を、軽視してはいけません。
むしろ、そこに「気づき力の芽」が眠っているのです。
4. 教えるべきは、「意味づけ」と「共有」
新人教育で大切なのは、
「もっと気づいて!」とプレッシャーをかけることではありません。
教えるべき3ステップ
- どんな変化を感じたのか?(=感知)
- それをどう解釈したのか?(=意味づけ)
- チームにどう共有したのか?(=伝達・連携)
この3点セットを意識することで、
気づきは再現可能なスキルへと変わっていきます。
5. 気づきを育てる関わり方の3つの例
例①:問いかけの力
「どこが気になったの?」
「どうしてそう感じたの?」
こうした問いかけで感覚を言葉にする力が養われます。
例②:褒めの“言語化”
「その視点いいね。表情の変化に気づけるってすごい観察力だよ」
褒め方が具体的だと、新人は自分の強みに気づけます。
例③:先輩が“実況中継”する
「今私が立ち止まったのはね、○○さんの足取りに違和感があったからなんだ」
“気づきのプロセス”を見せることで、再現性が生まれます。
6. 最後に:気づきは、才能じゃない。育てる文化。
「気づき」は、ひとりで勝手に育つものではありません。
チーム全体が育てる“文化”を持ってこそ、根付いていく力です。
- 「なんか気になる」と言える空気
- 違和感に気づいたことを笑わない・否定しない姿勢
- 「その感覚、大事にしてね」と伝える余裕
そんな現場を一緒に作っていきましょう。
🔄 次回予告
📘 第3話
👉『気づいた後、どう動く?〜チームで共有するスキル〜』
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