1. はじめに
なんとなく自然にできた。
相手が落ち着いてくれた。
自分でも「なんでか分からないけど、うまくいった」。
それ、もしかしたら——
もう「できている状態」なのかもしれません。
今回のテーマは、「できている」とはどういう状態なのか?
その本質を、ケア壱と一緒に深掘りしていきましょう。
2. 「できている」って、こんなとき
- 特別な意識をしなくても、自然に適切な声かけができる
- 表情の小さな変化に、すっと反応できる
- 「正解」ではなく、「しっくりくる感覚」で動けている
これはまさに、“無意識レベルで最適解を選べている状態”です。
3. 「意識せずにできる」は、努力の証
「無意識にできてる」って、なんだか地味に聞こえますが…
実はこれ、積み重ねてきた努力の成果なんです。
◆ 脳の仕組み:手続き記憶(Procedural Memory)
繰り返し経験した行動は、
脳の中で“手続き記憶”として保存されます。
すると、意識しなくてもスッと行動に移せるようになる。
スポーツや楽器演奏と同じで、介護にもこれが起こるのです。
4. 無意識に「最適解」が出せるとき
たとえば…
- 相手の声のトーンに自然と合わせられている
- 混乱した利用者さんに、そっと間をとって落ち着かせられた
- 周囲の空気を読んで、職員同士の連携を絶妙にとっている
これらすべてが、**スキルの自動化=「できている状態」**のあらわれです。
5. 「できている人」は、成績じゃなく“反応力”がすごい
現場で信頼されるのは、
マニュアルを完璧に覚えている人ではなく、
「あの人がいると安心する」
「なんか空気が柔らかくなる」
「自然と落ち着ける雰囲気がある」
そんな**“雰囲気で伝わる力”**を持っている人。
それが、「できる人」と「できている人」の違いです。
6. 成長は“止まること”もある
スキルが自動化されると、こんな落とし穴もあります:
- 慣れすぎて「観察する目」が鈍くなる
- 昔のやり方に頼りすぎて、新しい変化に気づけない
だからこそ——
本当に「できている人」ほど、
日々の振り返りや対話を大切にしているのです。
7. 最後に:「できている自分」をちゃんと認めよう
「今日はうまくいったな」
「なんか、あの人の笑顔が見られてよかった」
そんな実感があったら、
その小さな達成感を、ちゃんと自分に味わわせてあげてください。
それは、積み重ねてきた日々の証。
誰に評価されなくてもいい。あなたの中にある“確かな成長”です。
🔄 次回予告
📘 第5話(最終話)
👉『成長力を持つ介護者になるために』
🔙 前回のお話
📘 第3話
👉『「わかっている」から「できている」に変わる瞬間』
📚 成長力シリーズまとめページ
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