はじめに:ユウキの悩み

ユウキ
記録って正直苦手なんです…。忙しいと後回しになるし、誰か読んでるのかなって思っちゃって…。

ケア壱
それ、すごくよく聞く悩みだよ。でもね、記録には“未来の誰か”を守る力があるんだ。
記録は“誰のため”に書くのか?
記録の目的は大きく2つの視点に分けられます。
🔹1. 利用者のための記録(ケアの質を高める)
目的 | 内容 |
---|---|
ケアの継続性 | 引き継ぎや共有による一貫性のある支援 |
情報共有 | チームでの対応・意思決定・多職種連携 |
状態把握 | 利用者の変化を客観的に捉える材料 |

ケア壱
“その人らしい生活”を支えるには、その人のことを“記録から思い出せる”ようにしないとね。
🔸2. 支援者を守る記録(証拠・説明責任)
目的 | 内容 |
トラブル回避 | 「やってない」と言われた時の防御線 |
法的証拠 | 虐待・事故などの説明責任に対応 |
チーム支援 | 一人で抱え込まず、組織で動ける記録 |

ケア壱
“書いてない”は“やってない”と同じ。自分の行動を守るのは、自分の記録だけなんだよ。
よくある悩みとその乗り越え方
🌀悩み1:忙しくて書く時間がない
→ ポイントだけメモ→後で清書(下書きOK)
🌀悩み2:書くことが思いつかない
→ 「5W1H」で整理(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どうした)
🌀悩み3:書き方がわからない
→ 事実と主観を分ける(例:○○さんが大声→主観「怒っていた」ではなく、事実「大声で叫んだ」)
記録の“質”がチームの力になる
記録はただの報告書ではなく、チームケアの地図です。
- 書き手の気づきが他の支援者の行動を変える
- 記録の中に“視点のズレ”や“気づき”が見える
- 次に読む誰かのための“バトン”になる

ケア壱
記録って、“1人で見る鏡”じゃなくて、“みんなで見る地図”なんだ。
まとめ:書くことで守られるもの
- 利用者の生活と想いを記録でつなぐ
- 支援者の行動と責任を記録で守る
- チームの信頼と支援力を記録で育てる

ケア壱
「その記録、誰のため?そう問いかけるだけで、書く意味がきっと変わってくるよ。
✉️次回予告:伝わる言葉の使い方とは?
次回は「記録」と密接に関わる“言葉の選び方”がテーマ。
ケア記録や声かけで使う“ちょっとした言葉”が、相手の受け取り方を大きく左右します。
ケア壱とユウキが、“伝わる言葉”“伝わらない言葉”の違いを探りながら、記録や会話に活かすコツを解説していきます。
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