名探偵ケア壱シリーズ #01『推理小説が好きなケア壱の脳内構造』

名探偵ケア壱シリーズ

🧠 はじめに

「なんで、そんなところに気づくの?」
「それ、どうして先にわかったんですか?」

認知症ケアの現場で、よく言われる。
でも、本人としては「いや、普通に気になっただけなんだけど…」という感覚。

実はその「気になっただけ」の背後には、
“推理小説脳”のような情報処理構造があった。


🔎 1. 子どもの頃から好きだった“伏線”

僕は昔から、推理小説やサスペンスが好きだった。

  • 日常の中にある違和感
  • 何気ない発言や行動の裏に隠された真相
  • 最後の1ページで全てが繋がる快感

──この流れに、ゾクゾクしていた。

本の中だけじゃない。
日常でも、人の言葉の裏や目線、場の空気の違和感に引っかかる自分がいた。


🧩 2. 「違和感センサー」が反応する瞬間

誰かのちょっとした表情。
家族が発する“噛み合っていない”ひとこと。
本人が繰り返す行動のタイミング。

それらは、普通なら「見過ごす情報」。
でも僕の中では、伏線や手がかりのように見えてくる

そして気づいたら、
「もしかしてこうなんじゃないか?」という仮説が、勝手に立ち上がっている。


🧠 3. 頭の中にあるのは、地図でも、シートでもなく“構造”

この時、頭の中には

  • 時系列
  • 家族関係
  • 本人の生活歴
  • 認知症のタイプ
  • 症状の出方
  • 環境変化

──それらが“マインドマップのように”浮かび、
仮説を裏付けるピースを自動で探し始める。

つまり、僕の脳は推理小説の探偵のように、情報を「並列処理」し、「構造化」して、「予測」している。


🔄 4. なぜ仮説が当たるのか?

感覚だけで当ててるわけじゃない。
でも、自分の中では「説明しづらい勘」として処理されている。

本当はその勘は、過去の経験・微細な情報・統合された仮説が織りなす**“無意識下の論理”**なのだ。


❤️ 5. だから僕は、認知症ケアが好きなのかもしれない

行動の意味を解く。
言葉にできない思いを読み解く。
その人の人生の伏線を拾い、今を理解する。

認知症ケアとは、
**「人の生きた軌跡を、言葉にし、未来につなげる推理」**だった。


✅ 最後に

これは単なる趣味の話ではない。
推理小説が好きだった脳は、
いつしか現場で人の行動の意味を読み解く力へと進化していた。

その感覚を言葉にすることで、
同じような“推理脳”を持った人たちと出会えるかもしれない。

そして、「なんでみんな気づかないんだろう?」と孤独を感じていた誰かが、
「それ、わかる!」と安心できたら、嬉しい。


📎 まとめ

  • 子どもの頃からの“伏線愛”が、今の仮説思考の原点
  • 違和感に反応する脳の処理は「感覚」じゃなく「構造化」
  • 認知症ケアとは、人の人生を解き明かすリアルな“推理物語”だった

この後は──
#02『日常に潜む“謎”と、気づきの快感』へ続きます🕵️‍♂️✨

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