「声かけても反応が薄い…」「なんだかやる気が感じられない…」
そんなとき、リーダーができることは何でしょうか?
実は、“モチベーション”は偶然や感覚ではなく、 「人間の欲求」に基づいて仕組みとして高められるものです。
今回は、介護リーダーが現場で実践できる、 マズローの欲求5段階を活かしたモチベーションアップ術をご紹介します。
モチベーションとは?
モチベーション=行動を起こすための「動機」や「意欲」
心理学的には、
- 外的動機(報酬、評価、罰など)
- 内的動機(やりがい、成長、自己実現など)
この両方が影響しています。
ただし、ここで重要なことは、 外的動機は長続きしにくいという点です。
なぜなら、外的動機は「他の報酬」や「条件」で置き換えが効くからです。 たとえば:
- お金 → より給料の良い職場へ
- 評価 → 別の人からの承認が欲しくなる
一方で、内的動機は“自分の欲求と深く結びついている”ため、長期的な意欲につながりやすいという特性があります。
つまり、リーダーが目指すべきは、 “内的動機”を引き出す関わり方なのです。
その“内的動機”のベースになるのが、マズローの提唱した人間の基本欲求です。
マズローの5段階欲求とは?
- 生理的欲求(食事・睡眠など)
- 安全欲求(安心して暮らす環境)
- 社会的欲求(仲間・つながり・役割)
- 承認欲求(評価されたい・認められたい)
- 自己実現欲求(自分の可能性を発揮したい)
今回は、すでに満たされているとされる「生理的欲求」「安全欲求」は省き、 3〜5の3つの欲求を満たすリーダーの具体策を見ていきましょう。
① 社会的欲求(つながり・帰属欲求)
「ここにいていい」「自分の居場所がある」
そう感じられると、人は安心して行動できます。
✅ 実践ポイント:
- 名前を呼んで挨拶する
- 声かけは目を見て、笑顔で
- 小さな役割を任せて「○○さんがいて助かった」と伝える
このちょっとした一言が、スタッフの孤独感・不安感をやわらげます。
② 承認欲求(評価・認められたい欲求)
人は誰かに「ありがとう」「助かったよ」と言われるだけで、 “もっと頑張ろう”と思えるものです。
✅ 実践ポイント:
- 「さすが」「ナイス判断」と“行動”を褒める
- 「この記録、丁寧で助かる」と“具体的に”認める
感謝や評価が欠けると、どんなに頑張っていても気持ちは冷えていきます。
③ 自己実現欲求(能力発揮・成長したい欲求)
「得意を活かしたい」「自分らしく働きたい」
そんな気持ちが満たされると、人は自然と力を発揮しはじめます。
✅ 実践ポイント:
- 適材適所を意識する(記録が得意な人は記録係など)
- 本人がやりたいことを聞いてみる(得意分野・関心)
- できるようになったことは「任せる」ことで自信に
「この仕事、自分に合ってる!」と思えたとき、モチベーションは最高潮に。
応用編:スタッフの欲求段階を見極めよう
マズローの理論は、“一段ずつ上がる階段”のようなもの。
つまり:
- 所属感がなければ、承認欲求は湧きづらい
- 承認されなければ、自己実現には向かえない
だからこそ、スタッフの現在地に合わせたアプローチが必要です。
まとめ:やる気は“欲求の満たされ具合”で変わる
スタッフのモチベーションが低いと感じたら、 それは「怠けている」のではなく、 満たされていない欲求があるサインかもしれません。
- 名前を呼んで挨拶する(つながり)
- 感謝と承認を伝える(評価)
- 得意を活かして任せる(成長)
この3つの関わりを意識するだけで、 現場の空気とスタッフの動きが、きっと変わっていきます。
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